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60歳以降も働くシニアが増加、押さえておきたい就労に関わる法改正とは?

働くシニア

60歳になったら会社を定年退職して、その後は年金生活に入るのが従来の一般的な働き方でした。

しかし、現代では健康寿命の向上や年金の受給年齢引き上げなどにより、60歳を過ぎた後も働き続ける方が増えています。

さらに70歳以降も働く意欲を持っている方が多いという調査結果も出ていることから、シニア層の就労意識がここ数年で大きく変化している実態が分かります。

また、就労に関わる法律もシニア層が働きやすいように改正されたので、本記事で改めて情報を整理します。

 

1.シニアの「就労意識」の現状

現在のシニア層の方は、どのような就労意識を持っているのでしょうか。

株式会社カラダノートが2022年7月15日〜7月20日にかけて実施した「シニア層の就業実態・意識調査2021」によると、「何歳まで働きたいですか?」という質問に対し、以下の結果が出ています。

・働けるうちはいつまでも働きたい 29.7%
・70歳以上 18%
・65歳~69歳 17.3%
・60歳~64歳 17.3%
・仕事をしたいと思わない 11.8%
・その他 6.0%

※調査対象:46歳〜80歳の男女244名(男性175名 / 女性69名)
※出典:株式会社カラダノート「シニア層の就業実態・意識調査2021」

 
「働けるうちはいつまでも働きたい(29.7%)」と「70歳以上(18%)」を合計すると、47.7%になることから、約半数近い方が70歳以降も働く意欲を持っていると考えられます。

また、「働きたい理由」については、「社会貢献・社会や人との繋がり(40%)」が最も多く、「働くにあたって不安なこと」は、「自分の健康を配慮した環境があるか(47%)」をあげている方が多数を占める結果となりました。

 

2.シニアの就労に関わる法改正

働くシニア

シニア層がより働きやすい環境になるために、さまざまな法改正が実施されています。今回は直近で行われた法改正をいくつか紹介します。

高年齢者雇用安定法の改正

高年齢者雇用安定法により、事業主は高齢者が希望する場合、「一定の年齢」まで働き続けられる環境を提供することなどが義務付けられています。

本法律は2012年に「65歳までの雇用確保」を目的とした改正がされ、労働者が希望した場合には65歳まで働ける環境が整備されました。

さらに2021年4月に「70歳までの就業確保」を目的とした改正がされ、この「一定の年齢」が65歳から70歳に引き上げられました。そのため、大企業を中心に現在は70歳まで働ける環境を整備する企業が増えています。

ただし、65歳から70歳までの期間の就業確保はあくまで努力義務なので、現時点ではすべての企業が必ず70歳まで働ける環境を提供しているわけではない点を理解しておきましょう。

短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大

70歳近くなると正社員を辞めて勤務時間の短いパート・アルバイトとして働く方法を選ぶ方も少なくありません。

かつては短時間労働者の場合、健康保険、厚生年金保険といった社会保険に加入することが困難でしたが、2016年10月の法改正により、「特定適用事業所」で働く短時間労働者は一定の要件を満たせば健康保険、厚生年金保険に加入できることになっています。

さらに2022年10月以降、以下2点の改正が行われ適用が拡大されました。

改正点①
特定適用事業所の要件である「被保険者(短時間労働者を除く)の総数」が常時500人超から常時100人超に変更。

改正点②
短時間労働者の適用要件である雇用期間の見込みが1年以上から2カ月超に変更。

上記を踏まえたうえでの現在の「特定適用事業所」と「短時間労働者が被保険者となる一定の要件」をまとめると、以下の通りです(※赤字は今回改正された箇所)。
 

特定適用事業所

事業主が同一である一または二以上の適用事業所で、被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時100人を超える事業所

短時間労働者が被保険者となる一定の要件

・週の所定労働時間が20時間以上であること
雇用期間が2カ月を超えて見込まれること
・賃金の月額が88,000円以上であること
・学生でないこと

 
社会保険は給料から天引きされるため、一見損をしているように感じられるかもしれません。

しかし、健康保険へ加入すれば、業務外の病気やけがで働けなくなった時、最長で1年半傷病手当金を受けることができるので、病気や怪我のリスクが上がる高齢の労働者にとっては有効な対策になります。

また、将来受給できる厚生年金も増えるので、人生100年時代と言われる現代においてはメリットが大きいと考えられます。

高年齢雇用継続給付

高年齢雇用継続給付とは60歳以降働き続ける方で、収入が60歳以前より大きく減少した方に対して適用される給付制度です。

具体的には60歳到達時点とそれ以降の収入を比較し、60歳到達時点の75%未満となっていた場合に支給されます。なお、この制度は以下の2種類に分けられます。

高年齢雇用継続基本給付金

60歳以降、失業保険などを受給せず、継続して同じ会社で働き続けた場合に受け取れる給付金。退職後に失業保険を受け取っていなければ、再就職した際にも申請できる。

高年齢再就職給付金

60歳以降、会社を退職して失業保険を受け取り、再就職した際に支給残日数が残っていると受け取れる給付金。

つまり失業保険を受け取っているかどうかで、適用できる給付金の種類が異なります。また、この他にも細かい受給条件があるので、詳細は厚生労働省が公表している「高年齢雇用継続給付についてのリーフレット」から確認するようにしましょう。

 

3.まとめ

70歳以降も働き続ける方は、今後ますます増加することが予想されます。

働く期間が長くなることに対し、悪い印象を抱く方も多いかもしれませんが、現在はシニア層が働きやすい環境が整備されています。法改正も進んでいますので、前向きに考えることが大切です。

また、シニア層向けの法改正は今後も行われることが予想されますので、70歳以降も働き続けたいと考えている方は、ぜひテレビや新聞のニュースに関心を持ち、情報を掴んでおくことをおすすめします。

 

伊野文明筆者:伊野文明(いの・ふみあき)
宅地建物取引士・FP2級の知識を活かし、不動産専門ライターとして活動。ビル管理会社で長期の勤務経験があるため、建物の設備・清掃に関する知識も豊富。元作家志望であり、落ち着いたトーンの文章に定評がある。
 

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