シニアNEWS
新型コロナウイルス感染症が重篤化しやすいと言われる介護現場。
そこで働く職員の方たちは、昼夜を問わず感染予防をしながら高齢者を支えています。
高齢者を守るために、これまでの業務に加え、さらに施設内での感染予防やウイルス対策もしなければなりません。
ところが、施設内の消毒などの「感染防止策」から施設職員の「メンタルケア」を含めて、「コロナ発生後の対処法」についての情報は少なく、介護現場では不安を拭えない状況が続いています。
本日ご紹介するのは、介護施設向けに医療相談を提供するドクターメイト株式会社が、高齢者福祉施設スタッフ(施設長、看護師長、介護福祉士、相談員など)に向けて実地したアンケート調査です。
コロナ関連の「介護現場スタッフの本音」や、まもなく高齢者への接種が始まる「ワクチン」について職員たちがどのように感じているかなどを垣間見ることができる内容となっています。
〔アンケート回答者総数:244名〕。
Q1.コロナ対策については、どこから情報を得て対策を取っていますか?(複数回答可)
本アンケートに回答した高齢者福祉施設スタッフ244人の内174人(71%)が、介護施設で取っているコロナ対策の情報を【インターネット】と回答して、最多の回答数であった。次に【役所からの指示】と続いた。
厚生労働省や医療機関から発信されている情報から対策していると答えたのは、数人程度という結果であった
Q2.コロナ禍において、入居者や利用者の通院のため医療機関へ同行することは感染リスクがあると感じますか?
特別養護老人ホームなど介護施設利用者が病院へ通院する際には、施設スタッフ(主に看護師)が付き添う。
人的リソースが少ない施設スタッフが病院へ付き添うことは、2~3時間(長ければ半日ほど)施設を離れなければいけないことは、施設運営的に本来すべき介護業務をストップさせてしまう。それだけでなく、このコロナ禍では入居者はもちろん、同行する施設スタッフにとっても、医療機関へ同行することは、感染リスクの観点で不安と感じる人が86%と多くを占めた。
Q3.コロナ禍において、遠隔で医師や看護師からアドバイスをもらえるサービスは有効と思いますか?
昨今の技術革新から、オンラインで医師や看護師からアドバイス得ることができるサービスがリリースされている。病院へ受診せずとも医師や看護師からアドバイスを得られるサービスを活用することは、コロナ禍で感染リスクが高い高齢者を守るため、また、病院へ同行する必要があった施設スタッフを感染から守るためにも、有効と感じる人が93%と圧倒的な票を得た。
Q4.あなたは、 コロナワクチンを接種したいと思いますか?
介護事業所に勤める人の84%が、コロナワクチンを接種したいと答えた。
本アンケートでは、【検討中】が15%、【いいえ】が1%の人が、ワクチン接種について懐疑的な意見が出た。
懐疑的な意見を持った理由は、コロナワクチンの【副反応について】、まだわからないことが多いことが理由として挙げられた。
Q5. 他の施設スタッフ、利用者にコロナワクチンの接種を薦めますか?
ワクチン接種による副反応が不安。といった不安点があることから、【全員に接種させたい】という強制力を持った意見は16%に留まったが、【全員に極力受けてもらうように促す】という意見が55%と、71%が施設職員全員で受けて感染しないようにしたい、クラスターを防ぎたいという意見であった。
Q6. コロナワクチン接種について、不安に思う点はありますか?
アンケートに回答した244人のうち、コロナワクチンを接種したいと答えた人は、206人(84%)であった一方で、
コロナワクチンについて不安に思っている人も、204人(84%)という結果であった。
【Q6で、「はい」を選択した方】ワクチンについて不安と思うのは、どのような点でしょうか?(複数回答可)
コロナワクチンを不安に思う理由として、【ワクチンの副反応について】が最多回答で、アンケート回答者90%が不安に感じていることがわかった。【免疫の持続期間について】が2番目に多い理由で、アンケート回答者50%であった。
下記は、設問に対して【その他】を選択した人の記述回答の結果。
やはり、ワクチンの副反応に対しての意見を寄せられた。子孫への遺伝子の影響を心配する声が寄せられたが、遺伝子への影響はないため、誤った情報から不安になっている人が多いことが分かった。
Q7. コロナが収束した後、実現したいことはありますか?(複数回答可)
コロナが収束して実現したいこととして、最多回答は【面会制限の解除】で、アンケート回答者の220人(90%)が選択した。【休止している施設内行事の再開】が2番目に多い理由で、アンケート回答者75%が挙げた。
家族との面会再開や、イベントの再開など、コロナ禍の前と同じ日常生活へ戻ることを願うと同時に、職員全員へ行動制限を続けていることから、【スタッフとの外食】や【スタッフに休暇を取らせたい】といった労いの意見も多く見られた。
ここまで。
まとめ
コロナワクチンを接種したい人が約8割であった一方、コロナワクチンについて不安に思っている人も同じく約8割。ワクチンが必要と感じながらも不安も抱えていることもわかりました。
また、感染予防のため職員たちが日常の行動制限などを受けながらも、「コロナが収束した後、実現したいことはありますか?」の質問に対して、施設利用者の方々への家族との面会再開や、イベントの再開などを願っていることから看護職員の暖かさが伝わってきました。
医療・介護の現場で一生懸命に働く関係者の方には感謝しかありません。1日も早く平和な日常が戻ってくることを祈るばかりです。
(グッドライフシニア編集部)
■高齢になっても住み慣れた家に安全に住み続けるには?
■寒い季節は要注意!高齢者が安心して住める家とは?
■怖いカビやウイルスを撃退!梅雨こそ実践したいエアコンのお掃除
■コロナウイルスの飛沫感染を防ぐカギ!エアコン使用時には換気を
■砂漠に人工的に造られた高齢者の街サンシティ(Sun City)米国アリゾナ州
■シニアが気をつけたい室内での事故|転倒対策を万全に
■特殊詐欺の被害にあわないために|詐欺の手口と対処法
■高齢ドライバーの事故を防ぐ|家族が知っておきたい3つ(原因や認知対策)
■高齢者に骨折事故が多発!路線バスでの転倒にご注意