カロリーと栄養素の関係
私たちの体は常日頃、カロリーとして摂取した食品からエネルギーを得ています。
カロリーとは食物や飲み物に含まれる、身体を動かすための「エネルギー」のことです。食品を包装している栄養成分表示などではkcal(キロカロリー)の単位が使われています。
例えば、食品ラベルに「100kcal」と表示されていれば、その食品には100キロカロリーのエネルギーが含まれているということになります。
一方の栄養素とは、食物の中に含まれている、人間が生命活動を営むために必要な「成分」のことで、主にタンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルに分類されます。これら5つの栄養素を「五大栄養素」と呼んでいます。
その中で、エネルギー源として働く3つの栄養素( 炭水化物、脂質、タンパク質)が「エネルギー産栄養素」や「三大栄養素」と呼ばれています。
適切なカロリーを摂ることで、日常生活や運動に必要なエネルギーを得ることができます。
3食きちんと食べているから大丈夫と思っていても、食べる量や食べるものによっては低栄養のリスクがあり場合も。
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高齢者に適切なカロリー摂取量
適切なカロリー摂取量は、個人の性別、年齢、身体活動レベルなどによって異なります。
例えば、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、65~74歳の高齢者に必要なカロリーは、女性で1,550~2,100kcal、男性で2,050~2,750kcalとされています。
性別 | 女性 | 男性 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
運動量レベル | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ |
摂取カロリー | 1550 | 1850 | 2100 | 2050 | 2400 | 2750 |
1日の運動量レベル
レベルⅠ:生活の大部分で座っていることが多い。外出もあまりせず、静かに過ごしている。
レベルⅡ:座り仕事が中心だが、職場内での移動や立ち仕事・接客、あるいは通勤・買物・家事・軽いスポーツなどのいずれかを日常的に行っている。
レベルⅢ:移動や立ち仕事が中心。あるいは、スポーツなどの活発な運動習慣をもっている。
上記の必要なカロリー摂取量は一般的な目安であり、個人の健康状態や生活スタイルによって実際の必要カロリーは異なります。できれば医師や栄養士に相談することが望ましいです。
高齢者のカロリー不足を防ぐために
高齢者にとってカロリー不足は、栄養状態や身体機能に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、栄養不足による体力の低下や免疫力の低下、筋力の減少、骨密度の低下、認知機能の低下などが挙げられます。
このようなリスクを避けるためには、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。
高齢者に不足しがちの栄養素については、こちらの記事を参考になさってください。
ただし、栄養不足にならないようにと、過剰なカロリー摂取をすることは、肥満や、それに関連する健康問題を引き起こす可能性があるのでご注意ください。基礎代謝率は年齢とともに低下する傾向があります。
十分なカロリーを摂りながら、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルを含む栄養素をバランスよく摂取しましょう。健康な身体を維持し、元気で充実した日々をお過ごしください。
(グッドライフシニア編集部)
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