
高齢者に必要な1日の摂取カロリーは、年齢や性別、日頃の活動量によって異なります。
この記事では、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに、65歳以上の1日に必要なカロリーの目安と、健康維持のために意識したい栄養について解説します。
カロリーと栄養素の関係
私たちの体は常日頃、カロリーとして摂取した食品からエネルギーを得ています。
カロリーとは食物や飲み物に含まれる、身体を動かすための「エネルギー」のことです。食品を包装している栄養成分表示などではkcal(キロカロリー)の単位が使われています。
例えば、食品ラベルに「100kcal」と表示されていれば、その食品には100キロカロリーのエネルギーが含まれているということになります。
一方の栄養素とは、食物の中に含まれている、人間が生命活動を営むために必要な「成分」のことで、主にタンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルに分類されます。これら5つの栄養素を「五大栄養素」と呼んでいます。
その中で、エネルギー源として働く3つの栄養素( 炭水化物、脂質、タンパク質)が「エネルギー産栄養素」や「三大栄養素」と呼ばれています。
適切なカロリーを摂ることで、日常生活や運動に必要なエネルギーを得ることができます。
3食きちんと食べているから大丈夫と思っていても、食べる量や食べるものによっては低栄養のリスクがあり場合も。
⇒ 太ってないのに肥満!? 筋肉量が減る「サルコペニア肥満」の原因や対策
低栄養(痩せ)によるデメリットはさまざま知られており、高齢者本人だけでなく、周囲の方の見守りやサポートも大切になってきます。
低栄養とは、身体が必要とする栄養が不足している状態のこと。健康寿命をも脅かしかねない低栄養のリスクを管理栄養士の視点から、低栄養を予防する食事法などについて解説します。■ちゃんと食べているから大丈夫?高齢者の低栄養(痩せ)に要注意!
高齢者に適切なカロリー摂取量
適切なカロリー摂取量は、個人の性別、年齢、身体活動レベルなどによって異なります。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、65~74歳の1日に必要なカロリーの目安は、女性で1,550~2,100kcal、男性で2,050~2,750kcalです。
また、75歳以上では、女性で1,450~1,750kcal、男性で1,850~2,250kcalが目安とされています。
| 年齢 | 性別 | 運動量レベルⅠ(低い) | 運動量レベルⅡ(ふつう) | 運動量レベルⅢ(高い) |
|---|---|---|---|---|
| 65~74歳 | 女性 | 1,550kcal | 1,800kcal | 2,100kcal |
| 65~74歳 | 男性 | 2,050kcal | 2,350kcal | 2,750kcal |
| 75歳以上 | 女性 | 1,450kcal | 1,750kcal | ― |
| 75歳以上 | 男性 | 1,850kcal | 2,250kcal | ― |
1日の運動量レベル
レベルⅠ(低い):生活の大部分で座っていることが多く、静的な活動が中心。
レベルⅡ(ふつう):座位中心の仕事だが、職場内での移動や立ち仕事、通勤・買物・家事、軽いスポーツなどを行っている。
レベルⅢ(高い):移動や立ち仕事が多い仕事に従事している、またはスポーツなど活発な運動習慣をもっている。
上記は一般的な目安であり、実際に必要なカロリーは体格や活動量、健康状態などによって異なります。
高齢者のカロリー不足を防ぐために
高齢者にとってカロリー不足は、栄養状態や身体機能に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、栄養不足による体力の低下や免疫力の低下、筋力の減少、骨密度の低下、認知機能の低下などが挙げられます。
このようなリスクを避けるためには、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。
高齢者に不足しがちの栄養素については、こちらの記事を参考になさってください。
日々の健康を支えているのは、栄養バランスの優れた食事。しかし高齢期になると楽しいはずの食事に意外な落とし穴があります。高齢者が不足しないよう意識して摂りたい栄養素とは?■健康寿命を延ばす秘訣!高齢者が意識すべき栄養素とは?
ただし、栄養不足にならないようにと、過剰なカロリー摂取をすることは、肥満や、それに関連する健康問題を引き起こす可能性があるのでご注意ください。基礎代謝率は年齢とともに低下する傾向があります。
十分なカロリーを摂りながら、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルを含む栄養素をバランスよく摂取しましょう。健康な身体を維持し、元気で充実した日々をお過ごしください。
(グッドライフシニア編集部)
■中高年の女性が気をつけたい骨粗しょう症|原因と予防法について詳しく解説
■骨粗しょう症を予防するには?食事や運動のポイントを管理栄養士が解説
■サルコペニアを予防する食事のポイントを管理栄養士が解説
■体力が最近落ちてきた。それ、フレイルかもしれませんよ?
■寝たきり・要介護に繋がる「ロコモティブシンドローム」
