歳をとると食が細くなったり、脂っこいものが苦手になるものですが、意外と盲点なのが高齢者の水分摂取量。
喉の乾きを自覚すれば、もちろん水分を摂取しますが、高齢者の場合、のどの渇きを感じにくいうえ、自発的に水分をとったとしても、「1日の水分摂取量」に満たないことがほとんどです。
今回は高齢者の水分摂取の事情を掘り下げつつ、1日の水分摂取量を満たす方法についてフォーカスしてみましょう。
高齢者は意識しないと飲めない
本人も周りも意識しないと必要量まで到達できないのが、高齢者の1日の水分摂取量です。
どのくらい必要かといいますと、一般的に高齢者は、食事から摂取する以外に1000~1500ml必要だと言われています。しかし、これを満たすのは、意外と大変なことです。
水分を頻回に取るとなると、1日に何度もキッチンに行ってお茶を入れたりコップを洗ったり……。考えるだけで億劫になり、トイレが近くなるのも心配。
しかし、水分が不足すると本人も気づかないうちに「かくれ脱水」になっている場合もあるのでご注意ください。
脱水症状になる一歩手前が「かくれ脱水」。詳しい記事は、こちらをご覧ください。■「かくれ脱水」にご注意!脱水症の予防と水分補給のポイント
高齢者も無理なく水分補給できるコツ
水分補給のポイントは、一気にグイグイ飲み干すのではなく「小まめに少量」を意識します。
では、具体的にどうしたら効率よく水分を摂取できるのか、介護士である筆者が、そのコツをご紹介します!
汁物などの食事でとる
水分は飲料だけでなくてもいいのです。食事で取ることを意識すれば、高齢者でも楽に水分を摂取することができます。あんかけにしたり、味噌汁やお吸い物などで効率よく摂取していきましょう。塩分は控えめにしましょうね。
ゼリーなどのおやつで
夏場は気付いたら食欲も低下してしまいます。そんなときは冷たいもので、水分を補給しましょう。ところてんやゼリーを食べることで水分を補給しつつ、味覚を刺激して食欲の低下を防ぎます。これは、夏バテ防止にもなります。
とろみをつけてムセ防止
水分を取ると、むせ込んでしまうのが嫌な方もいますよね。市販のとろみ剤で飲料にとろみをつけるのもおすすめです。また近頃では「飲むヨーグルト」や「ゼリー状のコーヒー」なども売っています。とろみに抵抗がある場合は、氷を舐めるなどでも対応できます。
水筒にいれて携帯する
わざわざコップを用意したり、洗ったり。お茶が冷めてはまた淹れてを繰り返すのが、めんどくさいものです。そんなときは自宅でも水筒を携帯するようにしましょう。いちいちキッチンに行かなくとも常に水分補給ができるので、高齢者にぴったりです。
高齢者の水分補給にポカリスエットはどう?
高齢者の水分補給によく上がるのがスポーツ飲料です。ポカリスエットやアクエリアスといったスポーツ飲料に高齢者はどう付き合っていけばいいでしょう。
塩分の注意が必要
スポーツ飲料は発汗などにより体から奪われた水分を効率よく補給するため塩分も含まれいます。
夏場の暑い日が連日続く際は、つい飲みすぎてしまうこともあるでしょう。心臓病や腎臓に疾患があり塩分制限のある方は、まずはかかりつけの医師に相談することをおすすめします。
糖尿病の方は糖分を考えて飲みましょう
スポーツ飲料と聞けば、健康に良さそうな感じがします。しかし、意外にも500mlに角砂糖7〜8個分の糖分が含まれています。熱中症などで緊急を要するとき、激しい運動などをした場合などの摂取についても、かかりつけの医師に相談しましょう。
経口補水液OS-1®を自宅で作る!
スポーツ飲料を押さえて人気になっているのが、OS-1®と言われる経口補水液です。カロリーをおさえ、水分補給がスピーディーにできることで一躍、有名になりましたよね。CMやメディアなどでその存在を知っている方も多いのでは?
実はOS-1®のような経口補水液は自宅でも簡単に、しかも5分程度で作ることができるんですよ。
・水……500ml
・砂糖……15g
・塩……1.5g
・お好みでレモン汁……適量
経口補水液はなんとこちらの材料を合わせるだけのお手軽さなのです。水筒やペットボトルに作って冷蔵庫で保存しておけば、暑い日が続いてもコストパフォーマンスも優れています。
これからの暑い夏、水分が不足すると、「熱中症」になるリスクも高まってしまいます。
熱中症は、体温が上がることで体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かくなったりすることにより、頭痛やけいれん、頭痛など様々な症状を起こす病気のことです。
熱中症についてはこちらの記事をご覧ください。
■熱中症にご注意ください!予防と対策|水のちょこちょこ飲みがおすすめ
脱水症や熱中症の予防のためにも水分補給を心がけ、元気にこの夏を乗り切ってください!
幼少期から介護士に憧れる。10代で早めに出産を終え、介護士として有料老人ホームを軸に幅広い経験を積む。「もっと多くのシニアの幸せをお手伝いしたい」という思いを持ち、介護士をしていたからこそ分かる介護やシニアの実際の生活にコミットしたコラムを発信している。
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