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【体験談③入院をきっかけに老健から老人ホームへ】親にどう話した?施設入居をすすめるとき

体験談③

高齢になりつつあるご家族に、子どものほうから施設や老人ホームをすすめるのはなかなか難しいものです。前回は遠方にいる親の呼び寄せについてご夫婦にお話を伺いました。

連載3回目の本記事では、高齢の親が入院したことをきっかけに、その後は老健(介護老人保健施設)へ、さらに老人ホーム入居につなげていった方の体験談をご紹介します。
 
体験談からわかった「施設を嫌がる親に納得してもらうポイント3つ」
 

  1. 高齢者の「プライド」を傷つけない
  2. イライラしたら気分を落ち着けてから話し合う
  3. 老健からのステップアップ方式

 

入院した母親を介護施設をすすめるも本人は拒否
プライドを傷つけないよう説得(Kさんのケース)

Kさんご家族のプロフィール
・Kさん(57歳/女性)
東京都在住、夫は8年ほど前に他界。長男(30歳)と長男のお嫁さん(31歳)、孫(1歳)と完全分離の二世帯住宅に住む。Kさんの母は当時82歳で福井県の実家に住んでいた。

要介護ながらヘルパーさんをお願いし、ひとり暮らしを続けていたKさんの母親が転んで手首を骨折、また足も痛めたこともあり入院をしました。母親はもともと糖尿病を患っており、その治療も行いました。

やがて退院という時に、Kさんは担当医から「リハビリや食事管理など含めて自宅介護はできますか?」と聞かれて驚いたといいます。

Kさんは大学時代から東京暮らしで結婚をし、生前の夫が購入した都外のマイホームをリフォームし、長男夫婦と二世帯住宅で暮らしています。

「二世帯住宅といっても私が住む1階に母をひきとるわけにもいきませんし、やはりお嫁さんだって困るでしょうし。そこで介護施設を母にすすめたのですが頑として嫌だと言いはる。退院の日は近づくし、今さら福井で母を介護しながら暮らすなど考えられないし、本当に困りました」

母親は「老人ホームは絶対に嫌だ」の一点張り、しまいには病院内でも泣いたり、Kさんを罵倒したりで大騒ぎになることも。

病院近くのビジネスホテル暮らしはストレスもたまり、Kさんは「食べすぎちゃダメって先生からも言われてたのにそんな太って、だから転ぶのよ!体も悪いし手も完全には治ってなくて、人の世話にならなくちゃ生きていけないんだから、施設に入るしかないでしょ!」と苛立ちのあまり、母親を怒鳴ってしまったそうです。

 

親のプライドを思いイライラしないように対応

体験談③

そんな様子を見ていた年配の看護師さんから「ご心配だからこそでしょうが、体のことも娘さんから注意されると親としてのプライドが傷つき、よけいに頑固になってしまうことはよくあるんですよ」と言われました。

そして「病院と介護施設の中間的な老健(介護老人保健施設)を考えてみては」と教えてくれたそう。

さらに、老健への入居は担当医からも話をしてくれることになりました。母親も医師から「自宅でのリハビリは難しい、専門の病院でしっかり治すのもひとつの方法」と言われると、素直にうなずきました

しかし、それでも母親は福井県内での老健を希望しています。

「絶対に怒鳴ったり怒ったりしないように、話す前に何度も深呼吸しました。話している最中にカッとくることもありましたが、その時はトイレに行くふりをして、気持ちを落ち着けました」

「お母さんの気持ちが大事なのに娘が偉そうに話してごめんとプライドを傷つけないように気をつけながら、老健のパンフレットを見せてひとつひとつ説明をしました」

母親は「もうあきらめたよ。東京へでもどこへでも連れていけばいいだろ」と投げやりに答えたそうですが、そこでKさんは怒らずに「東京の病院でよくなったら、福井に戻ることもまた考えてみよう」と話したそうです。
 

病院と介護施設の中間的な「老健」という選択肢

東京で老健を見つけるのは息子に頼んでいました。老健は基本的に3~6ヶ月で退所するため満室でも空きが比較的早くに出ます。

糖尿病の程度など福井の主治医から診断書をもらい、Kさんはいったん戻って手続きをすませ、母親は無事に老健へ入居。「老人ホームに行くんじゃない、東京の大きな病院で治療するんだよ」と母親は周囲の人に話していたそうです。

「たぶん、老人ホームへ入ることに抵抗感が大きかったんですね。病院ならしかたない、と思ったようです」

都外で緑の多い地域にある老健で、いざ入居すると手厚い看護やリハビリを兼ねたレクリエーションも楽しみ「思ったよりは悪くないね」と言うようになったのだとか。

「老健はおおむね半年以内に退所するので、福井に戻ることもできるよと話はしました。これから数年たてば、やはり結局は施設のお世話になるだろうから、それならここが気に入ったから系列の老人ホームがいいと母が言ってくれた時、本当にホッとしました」

 

家族の存在・互いに感謝を伝えることの大切さを改めて感じた

体験談③

老健はリハビリをし自宅で自立できるようになることが目的ですが、場合によってはKさんのように怪我や病気を機に入院した場合、退院後にまずは医療施設に近い老健で過ごすことで施設入居のハードルを低くする使い方も考えられます

それを見越して、息子さんは「病院・老健(介護老人保健施設)・介護老人福祉施設(いわゆる老人ホーム)」が同じ敷地内にあるところを選んでくれていました。Kさんの母親は老健でリハビリしながら、老人ホームも見学したり、庭で入居者と知り合いになって話をしたりする中で、気持ちが変化していったのでしょう。

「落ち着いてみると、苦労してひとり娘の私を東京の大学に行かせてくれたことや、季節ごとに福井の名産や畑の野菜を送ってくれた母のことを思うと、感謝の気持ちをもっともっと最初から伝えればよかったのだなと思いましたね」

ところで、Kさんが最後に「ちょっと別のことだけど、いいこともありました」と笑顔で教えてくれたことがあります。

「実は後になって、お嫁さんに言われたんですよ。お義母さんが福井に行っている間、本当に大変だった。お義母さんが保育園にお迎えしてくれてるから残業もできたし、育児と仕事の両立もなんとかなってるんだって実感した、と。お義母さんにはとても感謝していますと言われて、なんか嬉しかったですよ」

介護をきっかけにして、それぞれがそれぞれの存在のありがたみを感じることもあるのですね。


大橋 礼筆者:大橋 礼
主に教育・ライフスタイルを中心に執筆するフリーライター。自身の介護経験と親世代・子世代両方の視点から取材を行いリアルな声を届ける。サードエイジ世代の新しい暮らしと50代からの豊かな人生を求めて模索中。

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