スマートフォンで使用できるお薬手帳のアプリがあるのをご存じですか?
シニアでも使う方が増えてきていますが、よく分からなくて使ったことのない方が大半なのではないでしょうか。
このページではそんな方向けに、お薬手帳アプリの使い方や便利機能を説明したうえで、紙のお薬手帳と比較したときのメリット・デメリットについてご説明します。
1.お薬手帳アプリとは?
お薬手帳アプリは、スマートフォンにダウンロードして使えるお薬手帳です。紙のお薬手帳のように荷物を増やすことがなく便利なため、利用者が増えています。
「お薬の登録が難しそう」と思う方もいるかもしれませんが、非常に簡単です。薬局で受け取るお薬の説明書に印刷されているQRコードを読み込むだけで、病院名、薬剤名等一括で登録できるようになっています。(対応していない薬局もあるかもしれません。その場合は手入力が必要です。)
2.お薬手帳アプリの便利機能
お薬手帳アプリにはお薬を登録して手帳として使う機能以外に、便利な使い方ができるものもあります。そんな便利機能についてご紹介します。
処方箋送信機能を使えば薬局に行かずに受付ができる
処方箋をスマートフォンのカメラで撮影し送信することで、薬局に行く前にお薬を作っておいてもらえます。お薬が出来上がってから取りに行けるので、待ち時間を大幅に短縮することができるのです。
自分が取りに行く時間を事前に予約するタイプと、お薬が出来上がったら通知が来るタイプがあります。お薬の受け取りには処方箋の原本が必要となりますので、忘れずに持っていきましょう。
〈処方箋画像を送信する際の注意点〉
薬局では保険番号なども記録を行いますので、処方内容のみでなく処方箋が全て入るように撮影して送るようにしましょう。
服用アラーム機能で飲み忘れを防止できる
お薬を服用する時間帯やスケジュールを登録すると、通知してもらえる機能です。お薬の飲み忘れが多い方には嬉しい機能ですね。
血圧を記録しグラフ化できる
健康管理のため、血圧を測定している方もいらっしゃると思います。紙の血圧手帳も自分でグラフを作成できるタイプがありますが、手間がかかります。血圧を記録できる機能のあるお薬手帳を使えば、自動でグラフを作成してくれるのでとても便利です。
3.紙のお薬手帳VSアプリのお薬手帳
お薬手帳アプリの便利機能についてご紹介しました。紙のお薬手帳からお薬手帳アプリに切り替えを考える方もいらっしゃるかと思います。その前に紙のお薬手帳とお薬手帳アプリをそれぞれの場面で比較してみましょう。
共有機能を使えば紙からアプリに切り替えてもスムーズに受け取り可能
紙のお薬手帳の場合は、薬局の受付時に預けて薬を準備する過程で確認作業を行います。併用薬などで医師への問い合わせが必要な場合もこの時点で行います。
一方スマートフォンはお預かりすることができないため、薬を受け取るときに薬剤師に見せるという方法が取られる場合が多いのではないでしょうか。
その場合、お薬受け取り時に薬剤師が併用薬の確認、記録を取ることになるので、受け取りに時間がかかってしまいます。また一緒に飲んではいけない薬などが分かった場合、この時点で医師への確認を行うことになるため、受け取りが遅くなってしまうこともあるのです。
ただ、お薬手帳には薬局に情報を共有する機能がついているものがあります。この共有機能を使えば薬局内で情報を閲覧することができるようになるため、このデメリットをなくすことができます。共有機能を利用するにはアカウントを作成しデータをクラウドに預ける必要があります。
紙のお薬手帳は持ち歩きが面倒
言うまでもないですが、紙のお薬手帳は持ち歩きが面倒です。病院や薬局に持っていくのを忘れてしまうときもあるでしょう。
一方、スマートフォンはいつも持ち歩くものであるため、忘れる心配がありません。薬局では3カ月以内の再来でお薬手帳を持っていくと料金が安くなるため、忘れずに持っていけば医療費の節約にもなります。
紙のお薬手帳は濡れたり、紛失したりした場合再生できない
紙のお薬手帳は濡れて見えなくなったり、紛失したりした場合再生できません。一方お薬手帳アプリの場合は、アカウントを作成しクラウド上に保存しておけば再生が可能となります。
緊急時は紙のお薬手帳の方が有利な場合がある
自分が意識を失った状態で病院に運ばれたときは、紙のお薬手帳の方が有利です。
緊急時、医療機関でお薬の情報が必要なときがあります。その時にアプリのお薬手帳を使用していてスマートフォンにロックがかかっている場合、本人でないと見ることができないためです。
紙のお薬手帳、お薬手帳アプリには両者にメリット・デメリットが存在します。お薬手帳は持って利用することがまずは大切です。紙とアプリ、自分にはどちらのお薬手帳が使いやすいかを考え、選んでみてください。
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東北大学薬学部卒業。薬剤師として大学病院前や医療モール内、地域密着型など様々な薬局に従事し、現場経験は10年。出産を経て、現在は薬や医療関連を中心に記事を執筆するライターとして活動している。
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