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要介護3で一人暮らしは続けられる?実例と施設入所を検討するタイミング

要介護3一人暮

親の介護度が高くなると、家族は自宅から施設への住み替えを考えることが多くなるでしょう。

しかし、「本人が自宅での生活を希望している」「希望している施設がなかなか空かない」などの理由で、一人暮らしを続けている方も少なくありません。

要介護3になると、特別養護老人ホーム(特養)への新規入所の対象となります。しかし、本人が自宅での生活を希望していたり、希望する施設にすぐ入所できなかったりすることから、介護サービスを利用しながら一人暮らしを続ける方もいます。

要介護3がどのような状態なのか?どのようにすれば一人暮らしは可能なのか?実際に一人暮らしを続けている方のケースもあわせてご紹介します。

自宅での生活や、両親の一人暮らしに悩んでいるご家族の方は、ぜひ参考にしてみてください。(2026年9月更新)

 

1.要介護3とはどんな状態なのか?

介護度は、身体機能や認知機能などをもとに判定され、要支援1・2、要介護1〜5までの7段階に分かれています。
要介護2では、立ち上がりや歩行、排泄、入浴、衣服の着脱など、日常生活のさまざまな場面で介助が必要になります。

要介護3になると、身体機能がさらに低下し、歩行や排泄、入浴、家事など日常生活の多くの場面で介助が必要になるケースが増えます。車椅子を利用している方や、認知症によって理解力・判断力が低下し、見守りや介助が必要な方もいます。

ただし、要介護度は身体機能だけで決まるものではないため、要介護3でも必要な介助の内容や程度には個人差があります。

要介護3の方が、誰の手も借りずに一人暮らしを続けることは難しくなります。特に、認知症による徘徊や火の不始末、服薬管理が難しいなどの問題がある場合は、安全面から常時見守れる環境が必要になることもあります。

一方で、特養や介護付き有料老人ホームに入居せず、本人が自宅での生活を強く希望する場合もあります。そのようなケースでは、家族による支援に加え、訪問介護やデイサービス、小規模多機能型居宅介護などの介護サービスを組み合わせることで、在宅生活を続けられることもあります。

介護保険の在宅サービスには、要介護度ごとに「区分支給限度基準額」が設定されています。要介護3は月27,048単位が上限で、限度額の範囲内で利用した場合、原則として所得に応じて1〜3割を自己負担します。

なお、実際の金額は地域や利用するサービスによって異なり、限度額を超えて利用した分は全額自己負担となります。
 

2.要介護3でも一人暮らしを続けられるケース

要介護3になると、日常生活のさまざまな場面で介助が必要になりますが、家族の支援や介護サービスを組み合わせることで、一人暮らしを継続できるケースもあります。

ここでは、実際に小規模多機能型居宅介護を利用しながら、自宅での生活を続けた事例をご紹介します。
 

(Aさん 80代・男性)
要介護3一人暮
妻に先立たれ、一人暮らしをしていましたが脳梗塞で入院、介護保険を申請し要介護3の認定が下りました。リハビリを続けましたが、日常生活では車椅子、排泄の介助が必要な状態になってしまいました。

自宅近くにお子さんはいますが、日中は仕事をしています。家族は「一人暮らしは難しいだろう」と思っていましたが、本人は「絶対に家で暮らしたい」という強い希望がありました。

家族との話し合いの結果、家族も本人の意向を尊重したいとの思いがあり、地域密着型サービスの「小規模多機能型居宅介護」を利用して、自宅退院することにしました。

小規模多機能型居宅介護は、利用者の希望に応じて、通所をメインとして、宿泊や訪問もセットで利用することができます。

Aさんは、週の半分を自宅で過ごしながら、小規模多機能型居宅介護の通い・訪問・宿泊サービスを利用して生活することにしました。
・自宅では複数回の訪問サービスを利用し、排泄介助などを受ける
・日中は通いサービスを利用する
・必要に応じて宿泊サービスを利用する
・食事や家事は配食サービスや家族が支援する

Aさんはパンツ式おむつを着用し、ベッド横にポータブルトイレを設置。ヘルパーやご家族が、おむつ交換とポータブルトイレの処理をします。

自治体によって介護認定を受けている一人暮らしの方は「緊急通報システム」を利用できます。ペンダント式の緊急ボタンがついており、ボタンを押せば、救急車などを要請できます。

小規模多機能型居宅介護はサービスを柔軟に組み合わせることができるため、近くに家族がいない場合でも、通い・訪問・宿泊を組み合わせて支援を受けることができます。また顔馴染みのスタッフが関わってくれるため、環境変化が苦手な方や認知症の方にはおすすめです。

しかし、定額制であり、宿泊費・食費は別途負担が発生するため、宿泊を頻繁に利用する場合、金銭面の問題が出てくるというデメリットもあります。

もしも家族が送迎できる場合は、夕食後まで滞在できることもあります。事業所によっても対応が異なるため、事前に相談しておくことをおすすめします。

 

3.要介護3は施設入所を検討するタイミング

要介護3以上になると、原則として特別養護老人ホーム(特養)の入所対象となります。ただし、申し込めばすぐに入所できるとは限りません。

特養は申し込み順ではなく、介護の必要度や生活状況、家族の支援状況などを考慮して入所の優先順位が決められます。そのため、要介護3の認定を受けていても、自宅で生活しながら入所を待つケースもあります。

介護付き有料老人ホームも、介護度が高い方の入居先として選択肢になります。ただし、施設によっては月額費用や入居一時金が高額になるため、費用面も含めて検討する必要があります。

特養にすぐ入れない場合や、介護付き有料老人ホームへの入居が難しい場合には、介護サービスが充実したサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を検討する方法もあります。

サ高住で必ず提供されるのは安否確認と生活相談サービスですが、住宅によっては訪問介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護などの介護サービスと連携しているところもあります。こうした住宅であれば、必要な介護を受けながら生活し、特養への入所を待つという選択肢もあります。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?


4.要介護3の一人暮らしは専門家と相談を

家族の支援や様々な介護サービスを組み合わせることで、要介護3でも一人暮らしを続けられるケースがあります。

介護度が高くなると、本人と家族で意見が分かれることがあります。家族は本人の安全を第一に考える一方で、本人の気持ちも尊重したいという葛藤を抱えることも多いでしょう。

家族から見れば「一人暮らしは難しい」と感じる状態でも、本人は「まだ自宅で暮らしたい」と強く希望することもあります。

認知機能が低下している場合は、本人だけでは適切な判断が難しくなることもあるため、家族やケアマネジャーなどの関係者と話し合いながら、在宅生活を続けるのか、施設への入所を検討するのかを考えていくことが大切です。

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かんだみか筆者:かんだ みか(社会福祉士)
福祉系大学卒業後、医療ソーシャルワーカーとして勤務。介護保険や障害年金などの申請手続きの相談、入院費や退院後の生活についての相談、施設入所調整など、支援は多岐に渡る。その傍ら、医療ソーシャルワーカーの経験を活かし、介護・福祉分野のライターとして執筆活動を行っている。

体験談
【体験談①通い介護に限界を感じ…】親にどう話した?老人ホーム入居をすすめるとき
【体験談②ひとり暮らしの母を呼び寄せ】施設や老人ホーム入居をすすめるときのポイント
【体験談③入院をきっかけに老健から老人ホームへ】親にどう話した?施設入居をすすめるとき


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