年月と共に状況が変わり、子どもが巣立ったり、配偶者に先立たれるということもあるでしょう。一人暮らしとなり、広い一軒家を持て余している人も少なくないはずです。
家族の形が変わるうえで、住まいを変えることが望ましいです。それは、生活スタイルに合わせて住まいを考える方が、より充実した生活を送ることができるからです。
今回は、介護が必要な方、あるいは元気な方、それぞれにあった終の棲家を紹介します。
早いうちから高齢者の施設や賃貸住宅へ入居する人が増えている
最近は終の棲家として、「有料老人ホーム」や「高齢者向け賃貸住宅」を選択する人が増えています。昔の老人ホームのイメージは、介護中心で大部屋で生活するというイメージがあるかもしれません。
しかし、最近の高齢者向けの住まいは、支援や介護が必要な方からアクティブシニアの方まで、その種類も豊富になり選択に迷ってしまいます。
一般的な賃貸住宅と同じような環境で、さらに、食事が提供されたり、ペットと暮らせるところもあります。
■ペットと快適に暮らせる「ペット共生賃貸」とは?
状況に合わせたおすすめの住まい
終の棲家を選択するうえで、状況や目的によって住まい選びは異なります。今回は、「自立した人」、「子どもの近くで近居」、「要支援の人」、「要介護の人」そして、「入院した人」の5つのパターンに分けて、どのような選択肢があるのかをご紹介したいと思います。
自立した人におすすめの住まい
元気なアクティブシニアには、「自立型サ高住」、「健康型老人ホーム」、 「高齢者向け賃貸住宅」がおすすめです。
元気で自立している人が中心の住居空間で、生活の自由度が高いのが特徴。自由に外出したり友人を招き入れることも可能で、入居者同士の交流もあります。
サークル活動やイベントなどを行っているところもあり、充実した生活を送ることができるでしょう。
部屋には一般的な賃貸住宅と同じでバス・トイレ・キッチンが付いていて、料理が好きな人であれば友人や入居者に得意料理を振る舞ったりすることもできます。
安否確認・生活相談、また食事提供などを行っているところもあり、安心です。
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■積水ハウスG「グランドマスト・シリーズ」物件一覧2021年5月24日
子どもの近くで近居がしたい人向けの賃貸
子どもの結婚や孫が生まれたことがきっかけで、子どもの近くに住みたいと思う人は多いのではないでしょうか。反対に親を呼び寄せたいと考えている子どもも増えています。
家庭の事情から同居することは難しくても、近居であればお互いの生活スタイルを崩さずに済みます。
近居を望んでいる人には、「自立型のサ高住」や「高齢者向け賃貸住宅」がおすすめです。好きな時に家族と外出したり、家族を招き入れることもできます。
どんどん新しい物件が出来ているため、子どもが住んでいる地域でも見つけることができるでしょう。
実際に子どもの近くに近居した人のインタビュー記事もぜひ参考になさってください。
東京23区|おすすめシニア向け賃貸の一覧旭化成「ヘーベルVillage」はシニアに快適な安心快適な住まいです。
2021年3月24日
要支援の人におすすめの施設
施設によっては、介護認定を受けていることが条件となっているところがあります。また要支援・要介護によって、入居できる施設が異なることがあります。
要支援は一人暮らしは可能ですが、生活の一部で見守りや支援が必要な状態です。
その場合、「サ高住」、「有料老人ホーム」がおすすめ。食事の提供や生活支援を受けることができます。
有料老人ホームの場合、施設によっては介護度が高くなっても、援助を受けられるところもあります。
先を見越して、介護が必要になっても長く住み続けられる施設を選択することも一つです。
■「サ高住」と「有料老人ホーム」のメリット・デメリットを比較して考える
要介護の人におすすめ
要介護認定の場合、生活の中で何かしらの介護が必要な状態です。そのため、特養・老健・介護医療院・介護付き有料老人ホームなどの介護スタッフがいる施設がおすすめです。
介護が手厚く、車椅子が必要になったり、寝たきりの場合でも対応可能です。看護師が常駐しており、健康管理もしてくれます。
ただし老健はリハビリ目的で一時的に入所できる施設のため、長く入所できる施設を探す必要があります。
また、介護付き有料老人ホーム以外の施設は、医療行為が必要になると、退去しなければならない可能性があります。
入院した人におすすめ
病気や怪我により突然入院してしまった場合、寝たきりの状態が続くと、筋力や体力が落ちてしまいます。
いわゆる「廃用症候群」と呼ばれるもので、中には歩けなくなったり、一人で生活することが難しくなってしまう方もいらっしゃいます。
その状況で自宅に帰るのは不安ですよね。そんな時は老健がおすすめです。「老健」とは自宅に戻ることを目指して、積極的にリハビリを行える施設です。
■介護老人保健施設(老健)とは?
要介護1以上の認定が下りないと入所ができないため、詳しくは病院のソーシャルワーカーへ相談することをおすすめします。
入院後に入居できる施設をお探しの方は、こちらの記事を参考になさってください。
■親の突然の入院であわてないために|相談先・退院後の暮らしの選択肢
以上、本日は高齢者の住まいの選び方のご紹介でした。
高齢者が入居できる住まいと言っても、様々な種類があります。選ぶときに大切なのは、ご自身の身体状況や目的に合わせて選ぶことです。
これから施設を探される方におすすめな記事もありますので、ぜひ参考にしてみてください。
■高齢者施設を選ぶために大切な5つのポイント
福祉系大学卒業後、医療ソーシャルワーカーとして勤務。介護保険や障害年金などの申請手続きの相談、入院費や退院後の生活についての相談、施設入所調整など、支援は多岐に渡る。その傍ら、医療ソーシャルワーカーの経験を活かし、介護・福祉分野のライターとして執筆活動を行っている。
■「特養」と「有料老人ホーム」を比較|入居の条件・サービスなどの違いなど
■シニア専用の賃貸住宅ってどんな住まい?一般賃貸との違いは?
■高齢者にとって「戸建」てと「マンション」どちらが住みやすい?
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