手足や顔に現れるむくみ。
特に女性は、目元が腫れぼったくなっていることで朝のメイクに時間がかかったり、夕方に足がむくんで太くなってしまったりと、悩んでいる方も多いのはないでしょうか?
今回は、そんなむくみの原因と解消法についてご紹介していきます。
1,むくみはなぜ起こる?
「むくみ」とは、体の中に余分な水分や老廃物がたまっている状態です。
具体的には、体内の細胞に必要な成分を届けるための「細胞間液」が、役目を終えても回収されずに行き場を失ってしまい、皮膚の下にとどまってしまうことで発生します。
こうしたむくみが起こる原因としては、次のような原因が考えられています。
血行不良や運動不足
人の身体は、足の筋肉がポンプの役割を果たすことで下半身の血液が心臓に戻っていき、循環するようになっています。このポンプ作用がうまく働かなくなると、慢性的な血行不良を起こし、むくみの原因になります。
このため、普段デスクワークや立ち仕事をしていて、同じ姿勢で過ごす時間が長い人は注意が必要です。
また、運動不足の場合も筋肉量が減ってしまい、血行や代謝に必要なポンプとしての働きが弱くなるため、むくみやすくなります。
アルコールや塩分の摂取
アルコールや塩を摂取すると、血液中の濃度を下げようと身体が水分をため込もうとするため、むくみが起こりやすくなります。お酒の飲み過ぎや塩分の摂り過ぎには注意が必要です。
自律神経の乱れ
自律神経は循環や呼吸、体温調整、消化、免疫といった、生きていくうえで欠かせないさまざまな機能をコントロールしています。疲労やストレス、女性ホルモンの乱れなどによってこの自律神経のバランスが崩れると、血行不良になり、むくみが発生する可能性があります。
水分不足
体内の水分が不足すると、身体はできるだけ水分をため込んでおこうとし、むくみにつながります。かといって、過度に摂り過ぎても身体を冷やしてしまい、代謝が下がってむくんでしまいますので、適量を意識することが大切です。
2,日々のケアで予防!血液循環を良くしよう
入浴(半身浴)
入浴によって手足の血管が広がり、血液の循環が良くなります。普段はシャワーで済ませているという人も、湯船に浸かってゆっくりと身体を温める日を作ってみてください。
また、普通の入浴よりも半身浴の方が身体の芯から温まり、血行促進の効果が高いと言われています。体温より少し高い、38℃前後のぬるま湯を張り、20~30分程度を目安に実践してみましょう。
身体を締め付ける洋服は避ける
身体への締め付けが強い服装は血流を妨げてしまうため、できるだけ避けましょう。
女性は日常的にストッキングやタイツ、ブラジャーなど、圧迫感の強いアイテムを着用することが多いので、お休みの日や自宅で過ごす日にはできるだけストレスフリーなアイテムを選び、身体への負担を減らすように意識することが大切です。
筋肉量を増やす
ふくらはぎ(ヒラメ筋)は「第二の心臓」とも呼ばれ、鍛えることで血液を循環させるポンプの機能が強くなり、むくみの解消につながります。
一見ふくらはぎの筋肉が鍛えられそうなハイヒールは、筋肉の伸び縮みを妨げてしまうため、むくみやすくなります。頻繁に履く習慣のある人は、スニーカーを履く日も作ってみてください。
身体を冷やさない
食べ物や飲み物は冷えたものを避け、常温や温かいものを選びましょう。また、職場などでクーラーにあたることが多い人は、カーディガンやひざ掛け、羽織などを持参して調整し、身体を冷やしすぎないことも大切です。
食生活を整えよう
塩分・アルコールの摂取量に注意。「お酒としょっぱいもの」という組み合わせはついついやってしまいがちですが、摂り過ぎは禁物。どちらも適量を意識して、「今日はここまで」とコントロールしていくようにしましょう。
むくみに効く栄養素はコレ!
◆カリウム
塩分を尿として体の外に出し、体内の水分量を適正にする働きがあります。
【代表的な食材】バナナ、とろろ昆布、干しひじき、海藻、イモ、ナッツ、豆など
◆ポリフェノール
老廃物を効果的に体外に排出する抗酸化作用があり、血液もサラサラに。
【代表的な食材】コーヒー、カカオ、緑茶、ブルーベリー、大豆、黒豆、生姜など
◆ビタミンB6
たんぱく質の分解を助け、血液をサラサラにする効果があります。ホルモンバランスを整
える効果もあると言われており、生理前のむくみ対策にも取り入れたい栄養素です。
【代表的な食材】マグロ、サンマ、鮭、カツオ、にんにく、とうもろこし、鶏肉など
ストレッチやマッサージで解消
朝、鏡を見たとき顔がむくんでいると、気分が落ち込んでしまいますよね。簡単なマッサージでむくみを解消し、イキイキとした一日にしていきましょう。
首をほぐす
首を右回り、左回りに各3回ほど大きく回す。次に鎖骨のくぼみに親指以外の指4本を入れ、左右それぞれ20回程度、グイグイと押す。
顔をほぐす
フェイスラインに手のひらを重ね、アゴから耳の上にかけて引っ張り上げる。何度かマッサージをしたら、次は耳の後ろから首筋にかけて下げるようにマッサージし、水分を下に流す。(目安:1分程度)
今日は、むくみの原因と予防法についてご紹介しました。
むくみにはさまざまな原因があり、気を付けるべきことも多くあります。すべてを完璧にこなそうとするのではなく、できるところから少しずつ取り入れていってみてくださいね。
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学習院大学法学部政治学科卒業。IT企業に3年間勤め、退職後はライターとして高齢者の介護や福祉、健康分野の記事を執筆しています。福祉分野の専門性を高めるため、現在は社会福祉士の国家試験を取得しています。
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